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2005.07.03

三種の神器

王権の象徴として、王家に伝わる宝物のことをレガリアといいます。
日本では、古くは百済伝来の「伝国璽」である「大刀契(たいとけい)」、「七支刀」などが知られていますが、いつしか三種の神器に収斂されていきます。

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三種の神器とは、皇位の標識として歴代の天皇が受け継いできたという三つの宝物。すなわち八咫鏡(やたのかがみ)・草薙剣(くさなぎのつるぎ、天叢雲剣)・八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)をいいます。
崇神天皇のときに鏡と剣とを模造して宮中にとどめ、真の鏡は伊勢神宮の、真の草薙剣は熱田神宮のそれぞれご神体となったとされています。
宮中におかれた神鏡は、天徳4年・長久元年・寛弘2年と3度の火災に遭い原形を失いますが、焼け残りの残片が唐櫃に収められ平安時代には温明殿(うんめいでん:神鏡を安置する内裏の殿舎)に祀られていました。内侍所(ないしどころ)、賢所(かしこどころ)とは、神鏡を祀ってある場所をさし、また神鏡をさします。
三種の神器は、平家の都落ちで宮中より持ち出されました。文治元年(1185)壇ノ浦合戦において、神剣は安徳天皇ととに海に沈み失われますが、神鏡の残片の入った唐櫃、曲玉は宮中に戻ります。
失われた剣のかわりにとして、昼御座(ひのおまし:大内裏の清涼殿にある天皇の日中の座所)の剣をこれにあて、のちに伊勢より奉納された宝剣を神剣と定められました。

これらの神器がどんなものであったかは、森浩一先生が『日本神話の考古学』の中で、考古学的に解明されていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

写真は、フルタの「新歴史浪漫 義経・源平争乱」の三種の神器フィギュアです。

【参考文献】
森浩一「三種の神器」『日本神話の考古学』(朝日新聞社)
「三種神器」『国史大辞典』『平安時代史事典』

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コメント

やはり古事記神話の謎は天皇礼賛だけではないいびつな構造をしているある種の正直さが心惹かれるのでしょう。
古事記神話の構造をザックリいうと高天原の2度の地上への介入がその構造の中心となっている。1度目はイザナギとイザナミがオノゴロ島を作り、国生み神生みを行い、次にイザナミのあとを継ぎスサノオが
根之堅洲国で帝王となる。第二の高天原の介入はアマテラスによる九州への天皇の始祖の派遣とそれに続く天皇を擁する日本の話でこれは今も続いている。
これらの2度の高天原の介入に挟まれた形で出雲神話がある。天皇の権威を高めるのに出雲があまり役に立たないのに古事記で大きく取り上げられている。その神話の構造の歪さに我々は心を惹かれる。
たとえば天皇も大国主も大刀(レガリア)の出どころはスサノオでありその権威の根源を知りたくなってしまう。そうなると島根県安来市あたりの観光をしてしまいたくなる。

投稿: 出雲街道ツーリングX(修理固成) | 2020.10.28 19:36

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