2006.05.16

三浦氏墓参ツァー参考書2

衣笠城周辺史跡めぐりの事前勉強とエントリーを書くために読んだ、参考文献一覧です。

野口実『鎌倉の豪族 I』(かまくら春秋社 1983)
野口実「執権体制下の三浦氏」(『三浦古文化』34号 1983)
北村包直『三浦大介及三浦黨』(初版1925 1982復刻)
『新編相模国風土記稿』(『大日本地誌体系』所収)
石井進「相武の武士団」『鎌倉武士の実像』(平凡社 1985)
永井路子『相模のもののふたち〜中世史を歩く』(有隣堂 1978)
司馬遼太郎『三浦半島記〜街道をゆく42』(朝日文庫版)
中澤克昭『中世の武力と城郭』(吉川弘文館 1999)
川合康『源平合戦の虚像を剥ぐ』講談社選書メチエ(1996)
「衣笠城」『図説中世城郭事典1』(新人物往来社 1987)
「衣笠城」『日本城郭大系6』(新人物往来社 1980)
『神奈川県の地名』日本歴史地名大系(平凡社)
松島健「満昌寺鎮守御霊明神社安置の三浦義明像」(『三浦古文化』52号 1993)

参考にさせたいただいたサイト
横須賀市ホームページ>横須賀市内の文化財


追記:
ここにあげたものは、わたしが義明ツァーに出る前に参考にした本や論文です。
先月末、東京出張のついでに、横浜市桜木町の県立図書館の郷土資料室へ行くと、読んでおかねばと思う本や論文がてんこ盛りだったことを付け加えておきます。(2006.6.4)

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2006.05.14

三浦氏墓参ツァー参考書1

今回のエントリーを書くために参考にした本の紹介です。

まずは手に入りやすいものから。
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左は、鈴木かほる『三浦一族の史跡道』(三浦一族研究会 300円)。
三浦半島を中心に、鎌倉・藤沢・平塚・横浜に残る三浦氏関連の史跡マップです。旅行する前に手に入れておくべきでした。残念。

真ん中は、三浦一族研究会編集『三浦一族史料集 吾妻鏡編』1〜4(横須賀市 1冊1000円)。
鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』野中から、三浦一族関連の記事を抜き出した史料集です。各年月日ごとに綱文、記事、読み下し文があります。

右は、『三浦大介義明とその一族』(三浦大介義明公八百年祭実行委員会 1800円)。
昭和55年「三浦大介義明公八百年祭」が開催された時に発行された記念誌です。内容は、「平安時代の三浦氏」「鎌倉幕府と三浦一族」「宝治合戦後の三浦氏諸流の展開」「三浦氏の仏教信仰とその文化」「三浦氏関係の史跡」「三浦氏をめぐる文芸と伝説・伝承」からなり、この他「三浦氏系図」「三浦氏関係文献目録」が巻末にあります。

入手方法は、横須賀市のサイトの市制情報コーナー有償刊行物のご案内のページをご覧下さい。

また三浦一族研究会編集『三浦一族史料集 吾妻鏡編』1〜4については、執筆者のお一人である高橋秀樹氏のサイト「大吉文庫〜日本中世の「家」と記録」>「地域の歴史学」で紹介しておられます。

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2006.01.18

平家物語の虚構と真実

373上横手雅敬先生の『平家物語の虚構と真実』上下 塙新書(塙書房 1985年、1973年に講談社から出た改版。人名索引が増補される)です。
12人の登場人物(平清盛・平重盛・源頼政・文覚・小督・源義仲・平宗盛・熊谷直実・平重衡・源義経・源頼朝・建礼門院)の人物論で構成されています。
同時代史料との比較から、平家物語の虚構と真実を追求し、人物の実像、時代の実相に迫った名著です。

正月休みに読み返した1冊です。
あらためて読み直すと、気になるキーワードや、調べたい題材に出会ったりで、知的好奇心をくすぐられました。

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2005.11.24

高橋秀樹『古記録入門』

364平家物語とは直接は関係ありませんが、待望の本が出ましたので紹介します。
高橋秀樹『古記録入門』(東京堂出版 3500円)です。
高橋氏のWEBサイト「大吉文庫〜日本中世の「家」と記録」で刊行のお知らの目次を読み、いつ出るのかと首を長くして待っていました。
中世の古記録の入門書で、古記録の調べ方や読み方のツボが満載。こんな本が欲しかったのです。
付録の古記録便覧も便利。さっそく数ページをコピーして、吾妻鏡と百錬抄講読用のノートに貼付けました。

平家物語を読んでいて、史実ではどうだったんだろうと古記録にあたることが多いです。
今後はこの本が、きっと多くを助けてくれると思います。

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2005.10.05

角田文衞『平家後抄 落日後の平家』

344壇ノ浦合戦後、生き残った平家の人々が、どのように生きたのでしょう。
角田文衞先生の『平家後抄 落日後の平家』は、そんな疑問に答えてくれる本です。
角田先生は、平家の人々がその後の人生をどうように送ったかを、執拗なまでに細緻にわたり実証されました。
平家が滅亡したと言っても、都にも鎌倉にも大勢の平家の関係者たちがいて、その血脈は決して滅んでなんかいないんだとつくづく感じさせられます。
建礼門院徳子の後半生をなど読みどころ満載。自信を持っておすすめの1冊です。

角田文衞『平家後抄』上下(朝日選書 1981年)
その後、講談社学術文庫にも入りました。上の写真は講談社学術文庫本です。

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2005.09.19

平安時代史事典

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角田文衞監修(角川書店 1994年)。平安建都1200年を記念して作られたこの事典は、平安時代を勉強する上で不可欠なものです。上下2分冊に、資料・索引編がつきます。歴史はもとより文学・建築にいたるまで平安時代に関するあらゆることが網羅された総合事典です。
難点(あるいはユニークな点)は、女性名の索引が訓読みであること。これは監修者・角田文衞先生の方針によるものです。

残念ながら現在は品切れで、古書店での相場は、12万円以上します。状態の良いものですと20万円と値をつけています。
復刊ドットコムで、復刊リクエストの要望が出ています。
100票を越えて復刊交渉がはじまりましたが、角川書店によると今のところ復刊予定はないそうです。
しかし復刊リクエストが300票を越えたら復刊するつもりはあると関係者から聞きました。
復刊リクエストにご協力くださいませ。投票はこちら

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2005.08.30

摂津国八部郡福祥寺古記録 須磨寺「當山歴代」

316左は小池義人監修・三浦真厳編纂『摂津国八部郡福祥寺古記録 須磨寺「當山歴代」』(校倉書房 年)です。
須磨寺の古記録『当山歴代』の釈文、読み下しは、戸田芳実・北島万次。解題は戸田芳実。
付録として「沙門弘源(福祥寺文書)<影印・釈文>」「摂州須磨寺略縁起」が載ります。釈文は戸田芳実。

以下、同書の解題より引用。

須磨寺の古記録『当山歴代』は、中世以来、同寺において書き継がれてきた寺の年代記である。その記事に多少の欠落や精粗の差はあるが、平安末期の嘉応二年(1170)から近世の宝暦二年(1752)まで、五百八十年余りの同寺の造営と興行を中心とした寺史の歩みを、全体として正確で実務的な筆致で簡明に書き綴っており、中近世を一貫した寺院史および周辺地域史の編年史料として、高く評価すべき内容を有している。

※ここ数日間、この本を書庫で探していたのですが、見つからずあきらめかけていたところ、リビングの料理本の棚から発見!うれしくてエントリー。
須磨寺について調べようと思ったらオススメ。

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2005.06.09

平家と福原京の時代

171歴史資料ネットワーク(史料ネット)編 岩田書院ブックレット『平家と福原京の時代』(岩田書院)が出ました!
2004年1月に行われた緊急シンポジウム「平家と福原京の時代−楠・荒田町遺跡の評価をめぐって−」の記録集です。

2003年、神戸大学医学部附属病院構内の立体駐車場工事のための事前発掘調査で、平安時代後期の大規模な二重壕と櫓跡が検出されました。まさに平氏の福原時代にあたる遺構です。
この遺跡を守るために保存運動の一環として開催されたのが、シンポジウム「平家と福原京の時代−楠・荒田町遺跡の評価をめぐって−」です。市民の関心は非常に高く、会場は超満員の盛況でした。
その後、二重壕と櫓跡が検出した「楠・荒田町遺跡」は、保存運動が功を奏し、建設予定だった立体駐車場は設計変更となり、記念碑が建ちました。

ぼんやりは、現地説明会に飛んで行き、二重壕を目の当たりにして大興奮したのを、今でも鮮明に思い出します。もちろん緊急シンポジウムにも参加しました。
『平家物語』は子供の頃から好きでしたが、平家好きが再熱したのは、この楠・荒田町遺跡の二重壕を見たことがきっかけかもしれません。

本の内容
奥村弘「本書を読まれる皆様へ」
高橋昌明「本シンポジウムのねらいと構成」
岡田章一「楠・荒田町遺跡の調査」
須藤宏「本皇居・新内裏の位置と祇園遺跡」
元木泰雄「福原遷都をめぐる政情」
高橋昌明「福原の平家邸宅について」
佐伯真一「文学から見た福原遷都」
討 論
松下正和「楠・荒田町遺跡保存運動の経緯と本書出版にいたる経過」 

詳しくは岩田書院のサイトで
http://www.iwata-shoin.co.jp/

※エントリーとは全く関係がありませんが、岩田書院というと、次の本が頭に浮かびます。
岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏』(無明舎出版)
東京世田谷で「岩田書院」をたったひとりで経営。年間40点以上の新刊を出し年商1億を売り上げる、歴史・民俗専門出版社社長のエッセイ集。
おもしろいです♪

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2005.05.23

平安京図会

157平家物語とは直接には関係ありませんが、平家物語を読むのに、おすすめガイドマップを紹介します。
(財)京都市生涯学習振興財団が「平安京図会」(定価300円)というガイドマップを作成されました。
2部で一組で、「史跡散策の巻」「復元模型の巻」となっています。
「史跡散策の巻」には、「平安宮(大内裏)と周辺史跡」地図、「平安宮(大内裏)と周辺条坊」が裏表に印刷されています。
「復元模型の巻」には、「平安京復元模型」と「平安京・市街地地図」が裏表に印刷されています。
平安京を舞台とする古典や歴史書を読むとき、この地図があれば場所や距離感を知ることができ、たいへん便利です。

ぼんやりは、『平安京提要』(角川書店)の付図の「平安京条坊図」をカラーコピーして持っています。
でもこれからは、ちょっと確認したいときなどに、今回紹介した「平安京図会」が役にたってくれそうです。

「平安京図会」の詳細については(財)京都市生涯学習振興財団、京都アスニーのサイトで
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/top.html

京都市中京区丸太町通にある京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)内には、京都市が建都1200年を記念して制作した平安京復元模型、豊楽殿復元模型、豊楽殿尾が常設で展示されています。
NHK大河ドラマ義経の中でも、平安京の遠景シーンに頻繁に登場する模型です。
ついでに書きますが、京都市左京区にある京都市勧業会館(みやこめっせ)のロビーには、同じく建都1200年を記念して制作された白河の法勝寺の模型が展示されています。六角九重塔がステキです。

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2005.04.18

『古代文化』4月号

121学術雑誌『古代文化』4月号(財団法人古代学協会)が出ました。
「平家と福原」の特集号です!
読みごたえのある論文が揃っています。
大きな書店に行くと手に入ると思います。

内容は、野口実「特輯『平家と福原』に寄せて」、元木泰雄「福原遷都と平氏政権」、山田邦和「『福原京』の都市構造」、伊藤裕偉「伊勢平氏と屋敷」、野口実「平家の本拠をめぐってー立地空間の軍事的評価」、近藤安紀「『平家物語』における遷都ー延慶本『平家物語』『山門都帰奏状』の本文について」、岡田章一「図版解説 兵庫県神戸市楠・荒田町遺跡」

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