« チベット東部大地震に心が痛む | トップページ | パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマの無事を祈願する、の巻 »

2010.04.23

チベット東部大地震、続報、の巻

 4月22日(木)
 ごく僅かで申し訳ないくらいなのですが、チベット亡命政府の拠点であるインド・ダラムサラに結成された玉樹地震慈善委員会に献ずるために、窓口となっている特定非営利活動法人チベットハウスジャパンに対して振り込みをいたしました。

 現地からの情報によると、この地震での死者は、当局発表の2000人超などというものではないらしい。まだわからないものの、死者が8000人を下回ることはないようだし、1万人を超えるのは確実らしい。暗澹たる思いがさらに広がる。

 中国政府は、外部からの人的支援を断り、被災地の復興資金にあてるための資金援助だけを求めるという方針を打ち出している。それに応えて、中国国内では救援金の募金についての大キャンペーンが繰り広げられ、ひとつのテレビ番組だけで約22億元(約300億円)が集まったらしいし、前回の四川地震の際の募金総額1兆円をはるかに上回る金額が集まるだろう、という観測もある。
 中国政府は、集まった義援金を「被災地の復興資金にあてる」と言っている。そのこと自体はおかしくないのだが、一方で中国政府はこの土地を高原エコ観光都市として再開発する意向を公表している。このふたつを考え併せると、集められた多額の義援金はこの「高原エコ観光都市」の建設に使われる、ということになるように思う。そこで気がかりになるのは、この新しい「高原エコ観光都市」に、それまでそこに住んでいたチベット人たちが安住できる空間がきちんと用意されるのだろうか、ということである。果たして、彼らの意に反して彼らを追い出してしまう、なんてことがおこらないと言い切れるのだろうか。そんな危惧を払拭できないのである。募金自体は人々の善意の賜物であることは確かなのであるが、それがさらにチベットの人々を苦しめる結果になったりしないよう、祈ることしかできない。

 ダライ・ラマ法王は、緊急なのは教育施設と医療施設の復興だ、と断言しておられる。特に、学校の再建こそは何よりも優先されるべきだ、と強調しておられる。私には、なんだかよくわからない「高原エコ観光都市」よりも、法王のおっしゃることの方がはるかに納得できるのだが、皆さんはどうだろうか?

« チベット東部大地震に心が痛む | トップページ | パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマの無事を祈願する、の巻 »