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2011.02.27

誉田山古墳の陵墓公開、の巻

110227 2月24日(木)(←航空写真は「Google マップ」による)
 新聞やテレビでも既報だが、陵墓関係16学・協会(大阪歴史学会、京都民科歴史部会、考古学研究会、古代学協会、古代学研究会、史学会、地方史研究協議会、奈良歴史研究会、日本考古学協会、日本史研究会、日本歴史学協会、文化財保存全国協議会、歴史科学協議会、歴史学会、歴史学研究会、歴史教育者協議会)が宮内庁に要望してきた「陵墓公開」の一環として、大阪府羽曳野市の誉田山古墳(誉田御廟山古墳ともいう。宮内庁のいう「応神天皇恵我藻伏崗陵」)の内堤部への立ち入り調査が実現した。今年の私は、日本考古学協会理事(陵墓担当)として、学会側の幹事役を仰せつかっている。ただ、新米幹事としては右往左往で、同じく幹事役の古代学研究会のI尾F昭委員と考古学研究会のO久保T也委員にはずいぶんとお世話になるとともにご迷惑をかけた。反省!!
 とにかく、対象が日本第2位の巨大前方後円墳ということで、マスコミの興味も大きかったようである。幹事役の私のところにも、1週間前くらいから問い合わせの連続。よく勉強されている記者の方にしゃべるのは良いのだが、陵墓問題や古墳についてまったく知識のない記者さんもいて、その人たちに1から説明するのはなかなかにしんどいことである。さらに、立入調査の数日前に共同通信が「応神陵に巨大方形土壇」発見という記事を配信し、そちらとの関連での質問が多く、こちら側の立場を説明するのに大童となる。とにかく、当日までてんてこ舞いであった。
 当日朝、まずは幹事団体が集合し、誉田山古墳の南側に隣接し、もともと同古墳を境内地としていた誉田八幡宮に行き、御挨拶。後円部側の旧拝所を観察。旧拝所には石造の太鼓橋が架かっている。最近、必要があってアーチ形石橋を調べてみたので、ちょっと興味深い。
 午後、古墳の前方部側の宮内庁事務所前に集合。予想以上に新聞社や放送局が列をなしているのに驚く。さらに、上空には何機もヘリコプターが飛んでおり、最初はそれが何か分からなかったのだが、実は私たちを狙っていることに気がつき、仰天! 13時より立入開始。ただ、今回の立入調査は誉田山古墳の内堤(内濠の外側の堤)のみであり、墳丘への立入はやっていない。ここのところ、誤解のないように。マスコミの中には、(例の共同通信配信記事との関係で)墳丘に立ち入っていないのでは意味がないという態度をあからさまに見せるところがあったり、逆に、内堤部だけの立入でなにかセンセーショナルな大発見を期待したりするところがあったりしたようだ。それはどちらも間違い。記者さんたちに繰り返し説明したのは、古墳は墳丘も濠も堤もすべてあわせてひとつの遺跡なのであり、そのそれぞれについてどんな小さな情報でもよいから拾い集めていくのが私たちの目的である。そんな地道な作業の積み重ねこそが意味があるのであり、堤では意味がないとか、逆に今回の立入ですべてがわかるとか、そんなものではありえない。
 この立入の成果はいずれ学会の刊行物の中で報告するが、ひとつだけ言ってもいいのは、とにかく巨大で綺麗な堤だった。とにかく幅50m、中規模古墳がすっぽりおさまるような規模の堤など、他の古墳ではめったにお目にかかることはできない。それに、保存状態も極めてよい。古墳の堤はややもすると過小評価されることが多いが、こんなすばらしい堤を見ると、これからきちんととりあげていかなくてはならない研究対象であることを実感する。
 総延長2.2kmを歩き回り、出てきたのは16時前。堤の通り一遍な観察だけで3時間を要するのだから、やはり超巨大古墳である。出てくると、待ち構えていたマスコミの放列。私とO久保さんが矢面にたって取材を受けることにあいなる。それから、場所を移して検討会。やっと終わって、古市駅前の飲み屋で打ち上げ。やはり、つい飲み過ぎ(^^;)。
 毎度のことであるが、宮内庁の職員の方々、特に、主担当者であるFM主任調査官にはお世話になった。ありがとうございました。

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 ぜんぜんどうでも良いことであるが、ワロタこと。今回の立入調査に関するネット記事を検索していて、2ちゃんねるの中に「応神天皇は北欧神話に由来する」というネタがあった。なんのこっちゃ、と思ってみたら、北欧神話で最高神とされているオーディン(英語: Odin, Oden)は、もともとの古ノルド語名ではオージン(Óðinn、「激怒する者」)なのだという。誰か知らんが、面白い連想を働かせる人がいるものだ。

2011.02.16

20周年、の巻

110216 2月13日(日)
 昨年はなんかバタバタしているうちに、コンサートに行く回数が激減していた。今年はなんとか、もうちょっとゆとりのある生活を送りたいものである。と、いうことで、京都市交響楽団第543回定期演奏会。指揮は井上道義さん。曲目は、オール・モーツァルト・プロで、歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲K.527、セレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」K.361 (370a)から、1・3・6・7楽章、そして交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551である。セレナードは井上さん自ら、「全曲では長すぎる」と言っているから、その中から4つを選んで交響曲風に仕立て、京響の管楽器の首席奏者たちによる管楽器アンサンブルの演奏である。「ジュピター」はメリハリのきいた颯爽とした演奏。井上さんもノリノリの快演だった。

 先日、ウチの奥さんと話していて、2月10日が結婚20周年の記念日であることに突然気がついた。びっくり。もうそんなに月日がたったんだな。ささやかなお祝いを、ということで、京響の演奏会のあと、ウチの奥さんお気に入りのハイアットリージェンシー京都のレストランにでかける。いうまでもなく、後白河法皇の院御所・法住寺殿の跡地の一角にたつホテルであり、私たちの結婚記念日にはふさわしいだろう。レストランの人に「20周年」の話を漏らしたら、花束とメッセージ・チョコレートのサプライズ・サービスをいただいた。感謝。

2011.02.10

船岡温泉、の巻

110214 2月10日(木)
 困った!! 数日前からお風呂の給湯器の調子がおかしい。説明書を見ながらだましだまし使っていたのであるが、ついにウンともスンとも言わなくなった。急遽、ガス会社の人に来て見てもらうと、給湯器のパイプから水が漏れており、それが配線を浸食してしまっているという。どうも、給湯器自身を交換しなくてはならないらしい。う゛〜っ! また物入りだ。それにも増して難儀なのは、新しい給湯器の設置工事をしてもらうまでおそらく一週間くらいの間、お風呂が使えない。これは困った。
 仕方ないので、しばらくは銭湯生活である。子供の頃には家に風呂がなかったので銭湯通いをしていたが、その後は内湯ばかりだった。
 ウチの奥さんと相談した結果、せっかくだから車で遠出することにした。銭湯ファンのあいだでは超有名で、「日本最強の銭湯」の呼び声も高く、「これを知らずして銭湯は語れない」とさえ言われている船岡温泉に行くことにする。いつもこの前は通っているし、そのうち入りに来よう来ようとは思っていたのだが、やっと念願が果たせることになった。このお風呂屋さん、建物の主要部は大正12年(1923年)の建築で国登録有形文化財に指定されているのであるから、最近のポッと出のスーパー銭湯など足元にも及ばない格なのである。。なんといっても見ものなのは脱衣場。欄間には所狭しと彫物が施されている。天井には極彩色の天狗が舞っているというのだから、ハンパじゃないのである。
 もちろん、お風呂としても充実している。街中の銭湯にもかかわらず露天風呂まであるのだから、いたれりつくせり。暖まった〜〜。たまにはこういうのもいいね。ささやかな贅沢をしたような気分であった。


2011.02.06

52歳の誕生日、の巻

110203_2【写真:京都の節分の年中行事、廬山寺の「鬼の法楽」】
 しばらくブログを休んでしまった。1月はとにかく、授業の再開、卒業論文の提出、それが終わるとすぐに定期試験、さらには入学試験と予定が目白押しで、正直言って、気力が失せていた。
 2月3日は私の誕生日。節分なので、覚えてもらいやすい。満52歳になってしまった。たまたま予定がキャンセルになったので、久方ぶりに廬山寺(発音は「ろざんじ」が正しいが、最近では「ろさんじ」と訓む人も多く、そちらも通用している。正式名称は「廬山天台講寺」)に出かけることにした。角田文衞先生の考証以来、「紫式部邸宅跡」の寺としてすっかり有名になったが、京都市民には節分の「追儺式 鬼法楽」の寺として知られている。
 少し出遅れたので、狭い境内はもう超満員。なんとか隙間を見つけて潜り込む。待つこと数十分。大きな太鼓のリズムに合わせて、松明を掲げた赤鬼、大槌を持つ黒鬼、マサカリを振りかざす青鬼の登場。ひとしきり踊った後、鬼たちは本堂になだれ込む。ただ、残念ながら私の立ち位置からは本堂の中までは覗けない。追儺師による邪気払いの法弓は、四方にそれぞれ矢を放つ。鬼が退散した後には、僧侶や十二単姿のお嬢さんによる豆撒きと餅撒き。残念ながらお餅を受け止めることはできなかった。
 3匹の鬼は、貪欲、瞋恚<しんに>(怒りのこと)、愚痴の三毒を象徴しているという。私も、この誕生日を機会に、いろいろな煩悩から解放されて、心穏やかに研究にうちこめるよう、祈りたいものである。

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