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2011.11.04

ダライ・ラマ法王大阪講演、の巻

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 10月30日(日)
 今年もまた、ダライ・ラマ14世法王の来日を迎えることができた。このところ毎年、日本に足を運んでいただけているというのはなんとありがたいことであろう。しかも、今年は高野山大学に招聘されたということで、大阪での講演がある。と、いうことで、高鳴る胸を押さえながら、会場に向かう。
 ただ、会場は大阪の埋め立て地につくられた舞洲アリーナ。どうも、幻に終わった大阪オリンピック招致の会場にするために造られた施設のようである。不安なのは、会場案内に「公共交通機関が混雑することが予想されます。自家用車でのお越しをお勧めします」との文言が踊っていること。公共交通機関が乏しいとは、どんな田舎なんだ!と思っていたら、本当に僻地だった。小心者の私はえらく早く行ってしまったので臨時バスにも余裕で乗ることができたが、その後はバスが満杯状態で、遅刻しかけた人も多かった、らしい。それに、開会時間になってもなかなか始まらない、と思ったら、法王御自身も車の渋滞に巻き込まれてしまって会場到着が遅くなった、ということである。確かにこの場所、こんな多人数を集めた集会ができるようなところではないんだな。
 このたびの御講演は、午前と午後の2部にわたるという。これだけ長く法王のお話を聞けるというのは素晴らしい。第1部は「ダライ・ラマ法王 般若心経を語る-空から慈悲へ-」、第2部は「人生の困難を生きぬく力」となる。第1部の最初は恒例の般若心経の合唱からはじまる。法王御自身はチベット語で、私たちは漢訳で、会場に多数来られていた韓国人の信者さんたちは韓国語での斉唱である。法王、大変々々お元気で、その様子を見るだけでこちらも元気がでてくる。ただ、情けないことながら、仏教の素養に欠ける私には今回の御講演はむつかしかった。午後の講演が早速にyoutubeでアップされているし、また、全体の要約をチベット学者で早稲田大学教授の石濱裕美子氏がブログに書いておられる(第1部はこちら第2部はこちら)から、改めてそれで勉強させてもらおう。なお、石濱先生も舞洲アリーナの交通不便さには苦労されたらしく、ほとんどキレかけておられる。いずれにせよ、今年もこうして法王のご尊顔を拝することができたのは、本当にありがたい限りであった。

 【書いたもの】
■山田邦和「『福原遷都』はなかった」(高橋昌明編『平清盛—王朝への挑戦—』〈『別冊太陽 日本のこころ190』〉所収、東京、平凡社、2011年11月25日)、116〜118頁。

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