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2012.04.13

『日本中世の首都と王権都市—京都・嵯峨・福原—』刊行!、の巻

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 念願の刊行を果たすことができた。私の第3論文集である『日本中世の首都と王権都市—京都・嵯峨・福原—』である。前著『京都都市史の研究』を出したのが2009年ですから、3年目にして次の論文集を出すことができた。ありがたいことだと思っている。
 この書は、図書出版文理閣の『平安京・京都研究叢書』第2巻とした。この叢書、私たちが運営している「平安京・京都研究集会」とその関連の成果を公表するために、文理閣代表の黒川美富子さんに無理を言って創設していただいたものであるが、第1巻『院政期の内裏・大内裏と院御所』(高橋昌明編)が2006年に刊行されてから6年もたってしまった。その間、「第2巻はまだか? いつ出るのか? どうなっているのか?」といろんな方面から聞かれることがしばしばだった。ともあれ、ようやく公約を果たすことができて、黒川さんにも顔向けができることになった。

 本書は、京都を中心とする私の都市史関係の論文のうち、紙数の関係などで前著『京都都市史の研究』に漏れたものを中心にまとめた。ただ、単なる「拾遺」ではない。はからずも、前著の所収論文が考古学的方法による色彩が強いものが多かったのに対して、今回のものは考古学だけではなく、文献史学、歴史地理学、歴史民俗学など多彩な内容にすることができたように思う。これはキャッチコピー↓
「考古学・文献史学・歴史地理学・歴史民俗学の統合によって、中世日本の首都の実像に迫る。平安京・京都については、その都市構造を検討するとともに、そこに生きた都市民の信仰を解明する。後白河法皇の法住寺殿、後嵯峨・亀山両法皇の築いた中世都市嵯峨、さらに平清盛が夢見た幻の都・福原京といった王権都市の復元は圧巻」

 目次
第一章 平安京・京都の都市と都市民
 第一節 平安京の空間構造
 第二節 平安京の信仰と伝説
 第三節 鴨川の治水神
 第四節 中世京都の被差別民空間─清水坂と鳥部野
第二章 院政期京都とその周辺
 第一節 白河・鳥羽と平安京の平家邸宅
 第二節 六波羅・法住寺殿の復元
 第三節 西八条第の考古学的検討─平安京左京八条一坊
第三章 「福原京」の復元研究
 第一節 「福原京」に関する都城史的考察
 第二節 福原遷都の混迷と挫折
 第三節 「福原京」の都市構造
第四章 中世都市嵯峨の変遷
 第一節 「都市」としての中世大寺院
 第二節 院政王権都市嵯峨の成立と展開
 第三節 寺院境内都市嵯峨の変遷
第五章 京都の歴史遺産とその活用
 第一節 埋蔵文化財をめぐる社会システムの混迷
 第二節 遺跡保存と活用の論理
 第三節 京都都市遺跡の調査と保存
 第四節 京都・歴史遺産の活用と世界遺産
 第五節 史跡顕彰の実践

 福原京の復元研究を表に出したのは、いわずと知れた、大河ドラマ「平清盛」便乗(笑)。私の福原京研究、決して百%の確実性を持つものでないことは当然だが、とにかく現在知られる限りの資料を使って福原京復元図を描いた研究は他にないし、その点では「叩き台」としての役割を充分に果たせるのではないかと思う。「福原遷都」を否定する私独自の史論を全面的に展開しているのも、賛否はあるだろうが意義もあるだろう。大河ドラマにちなんだ「平清盛」ブームに乗っかって、たくさん売れたら嬉しいのだが(^-^;

 第一章第二節「鴨川の治水神」は、本人が一番気に入っている論文のひとつ。瀬田勝哉先生の美しすぎる論文「失われた五条橋中島」へのオマージュでもある。ぜひ読んでいただけると幸いである。

 第四章は中世都市嵯峨の復元研究。鎌倉時代の嵯峨と鎌倉の相似性の指摘、意表を突いたと思ってもらえるだろうか?

 第五章は京都の歴史遺産の活用について論じている。もちろん、最後は私の自宅の「平安京検非違使庁址」石碑について。歴史学の研究者は多いが、自宅に史跡の顕彰碑を持っている人は少ないだろうから、ちょっと、自慢。
 
 ともあれ、念願が果たせて、安堵。無理ばかり聞いていただいた文理閣の黒川美富子さん、どうもありがとうございました。それから、刊行補助金を賜ったわが同志社女子大学にも、感謝。

 ■山田邦和『日本中世の首都と王権都市—京都・嵯峨・福原—』(京都、文理閣、2012年3月30日)、全409頁。A5判、定価5,000円+税 ISBN978-4-89259-675-9

2012.04.06

イタリア旅行、の巻

Img_0110(←オスティア・アンティーカにて。モザイクの上に座るなんて日本ならばとんでもないのですが、これが立ち入り自由なんです。びっくり)

 新年度にはいって、大学の入学センター所長の任を命じられた。要するに、大学の入試の責任者。入試でなにかアクシデントがおきるとアタフタしなくてはならない役目である。正直言ってありがたくない職務だが、大学にとっては入試は最重要の業務であり、誰かがやらねばならない。力不足であることは承知の上で、なんとか努めさせてもらおう(と、いうことで、皆様、今年度は私にあんまり用務を言いつけないでくださいませm(_ _)m)。

 始めてのイタリア旅行、なかなか写真の整理がつかないが、とりあえず日程だけ。
 
 3月22日(木)13:35関西国際空港発(アリタリア航空)→19:10ローマ、フィウミチーノ空港着。
 3月23日(金)コロッセウム(伊:コロッセオ)、フォールム・ロマーヌム(伊:フォロ・ロマーノ)、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂(伊:ヴィットリオーノ)、カピトリーノ美術館など
 3月24日(土)バチカン(サン・ピエトロ大聖堂、バチカン美術館など)、クイリナーレ広場、トレビの泉など
 3月25日(日)チルコ・マッシモ、カラカラ帝浴場ローマ文明博物館(エウル)、スペイン広場、アウグストゥス帝廟、アラ・パチスなど
 3月26日(日)9:00ローマ、テルミニ駅発(ユーロスター)→10:20ナポリ着。ナポリ国立博物館、ナポリ王宮前広場など
 3月27日(月)ヘルクラネウム(伊:エル・コラーノ)、ポンペイ。17:50ナポリ発(ユーロスター)→18:10ローマ着。
 3月28日(水)ピラミデ(法務官ガイウス・ケスティウス墓)、サンパオロ門(オスティエンセ門、同資料館)とアウレリアヌス城壁、オスティア(伊:オスティア・アンティーカ)など
 3月29日(木)モンテ=チトリオ広場、パンテオン、サンタ・マリア・ソブラ・ミネルバ教会、ジェズ教会、ディオクレティアヌス帝宮殿、アンジェルティーナ神殿跡、ディオクレティアヌス帝浴場ローマ国立博物館(マッシモ宮殿)など
 3月30日(金)10:30ローマ出発。14:55フィウミチーノ空港発
 3月31日(土)9:55関西国際空港着

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