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2015.11.29

2015年11月、やったこと、の巻(その2)

 この間、たまっていたものが一気に出たので、今年はなかなかの「豊作」の予定。

 この中では、「京都を舞台としたいくさ―中世初期の首都争奪戦―」(『第3回東海学シンポジウム2015 いくさの歴史―戦争の本質を見つめ直す』資料集所収、〈春日井〉、NPO法人東海学センター、2015年10月)が一気呵成に書いた、言いたい放題の力作(?)。建春門院平滋子サマについて「輝くばかりの美貌、卓越した知性、どんなアクシデントにも動じない胆力、冷静で的確な判断力、さらに、栄華にも驕り高ぶらない品性までをも兼ね備えたこの女性こそは、まさに平家一門の守護女神だったのである」と書いたら、シンポジウムで司会の福岡猛志先生(日本福祉大名誉教授)から、「この描写、それぞれ史料的根拠はあるんですか?」という御下問。御不審はもっともではありますが、もちろん私の空想ではなくそれぞれ典拠があることを述べたら、「なるほど、山田さんの『片想い』ではないんですね」と言っていただく。
 「研究」という点でもっとも重要なのは、「平安京の都市構造変遷」(『都市史研究』2掲載、東京、都市史学会、2015年11月)だろう。以前やった「『前期平安京』の復元」(山田『京都都市史の研究』所収)を継いで、中期・後期の平安京の都市構造を復元してみた。これで、平安京の変遷についての一応の見通しを示すことができたことになる。

2015年11月、やったこと、の巻(1)

またまた一ヶ月も間が空いた。ということで、例によっての、日記のとりもどし。

 10月17日(土)・18日(日)
 日本考古学協会2015年度大会。今回は奈良大学だから、宿泊しなくてもいい。2010年に日本考古学協会は図書の寄贈問題に大揺れし、その時には私は協会の理事の末席をけがしていたから、その渦中にあった。いろいろあったけれども、日本考古学協会の図書は奈良大学が引き受けてくれることになり、無事に決着。今回、奈良大学の図書館を見せていただいて、日本考古学協会の図書が整然と整理されているのを見て、いささか感無量。
 日曜日の研究報告では、午前は古代宮都、午後は中世城郭をハシゴ。中世城郭のシンポジウムでは、時間も終了間際になって、そろそろ帰る準備をしていたところで、司会の宮武正登佐賀大学教授から「最後に山田さん、一言お願いします」と突然の御指名を受けてしまい、ちょっとアタフタ(^^;;。

 10月22日(木)
 時代祭の日。たまたま、午前中は今出川キャンパスでの授業だったので、祭見学に振り替え。

 10月23日(金)・24日(土)
 全国大学博物館学講座連絡協議会西日本部会。今回は岡山の就実大学さんのご担当ということで、同大学に行くのだと思ったら、会場は岡山駅前のホテルだという。これは行きやすい。全体会議でお勉強したあとは情報交換会(懇親会)。重要無形文化財備中神楽の実演という豪華プログラム付きである。
 見学会は、邑久の餘慶寺、牛窓の本蓮寺、備前市の正楽寺(熊沢蕃山関係の寺)など、ちょっと変わったところを見せていただく。
 解散後は、岡山市立オリエント博物館の「香り」展と、岡山シティミュージアムの「京都と岡山藩」展に寄る。後者は、岡山藩が所蔵していた京都関係史料で、とっても勉強になる。

 10月30日(金)
 京都SKYセンターの講演で、京都府京丹後市行き。それが終わった直後には、すぐに京都府与謝野町に拉致(?)されて、幾地地蔵山遺跡(中世墓地)の検討委員会。

 11月1日(日)
 愛知県春日井市での、第3回東海学シンポジウム「いくさの歴史」。ここでは故・森浩一先生が20年間にわたって「春日井シンポジウム」を続けてこられ、多大の成果をあげられた。これを引き継ぎ、NPO法人東海学センターが新たな主催者となって再出発したのがこの「東海学シンポジウム」である。私のお題は「京都を舞台としたいくさ~中世初期の首都争奪戦~」。保元の乱、平治の乱、治承・文治の内乱、承久の乱のお話である。資料集の原稿を書き始めたら、珍しく筆が進んでしまい、とにかく書きたい放題を書いてしまったぞ。会場には450人も集まり、熱気がムンムン。

 11月6日(金)
 京都府与謝野町の中世墓地の調査指導、という名目で、丹後の中世墓地を勉強させてもらいにいく。地蔵山遺跡だけではなく、宮津の智恩寺から成相寺、妙立寺、難波野千体地蔵などを見学。

 11月8日(日)
 日本史研究会創立70周年記念 講演会・祝賀会。記念講演が、高橋昌明先生の「日本史研究会の歴史と私たちの課題」と、私の「陵墓研究の現状と陵墓公開運動」。高橋先生は永く日本史研究会の代表もつとめられてきた方だから、記念講演というのは当然なのであるが、こんな晴れがましい場になんで私が御指名を受けたのか、未だによくわからない。ともあれ、せっかくの光栄であるから、せいいっぱいやらせてもらおうということで、天皇陵研究の現状を整理する。

 11月9日(月)
 雨の中、相国寺の塔跡においてKBS京都のテレビ撮影。

 11月14日(土)
 第31回 平安京・京都研究集会「『御土居』再考」。午前中には世話人限定で、京都大学総合博物館で御土居絵図をじっくりと見学。午後は研究集会で、報告は谷徹也さん(京都大学、豊臣政権論) 「豊臣政権の『京都改造』-「土居堀」築造をめぐって-」、鈴木久史さん(京都市文化財保護課、日本考古学)「御土居跡の発掘調査成果」、岩崎奈緒子さん(京都大学総合博物館、日本近世史)「近世の御土居」 討論司会は山本雅和さん(京都市埋蔵文化財研究所、日本考古学)と上杉和央さん(京都府立大学、歴史地理学)。

 11月20日(金)
 同志社女子大学史料室で、「第20回企画展 戦時下の同志社高等女子部・同志社女子専門学校」が開始。私はこの中で「戦時下の京都」コーナーを担当。立命館大学の木立雅朗さんに御助力いただいて、陶器製手榴弾をたくさん貸していただく。展示は来年夏までやってますので、ぜひご覧ください。

 11月21日(土)
 一般財団法人朱雀基金の研究会(於京都大学人文科学研究所)。京大人文研の冨谷至教授のご報告で勉強。私は司会を担当。

 11月22日(日)
 山中章さんからの御依頼で、中山修一先生生誕100周年記念講演会「中山修一先生と長岡京研究」。とはいっても私は長岡京に関しては無知なので、テーマは「長岡京から平安京へ」。ありし日の中山先生のお姿を偲びながらの講演会となる。

 11月25日(水)
 文化史学会の、会計監査に出向く。

 11月26日(木)・27日(金)
 ありがたいことに、花園大学の高橋康夫先生の科学研究費補助金の研究「ユーラシアのなかの日本中世都市―その基盤研究―」に、連携研究者として入れていただく。その研究会で、花園大学行き。シドニー大学のマシュー・スタブロスさんとは久しぶりにお会いすることができた。京都大学の冨島義幸さんとご一緒できるのも、うれしい限り。私は初回ということで、「世界のなかのアジア古代都市」を話させてもらう。また、マシューさんからは新著の『Kyoto: An Urban History of Japan's Premodern Capital』を頂戴する。アメリカ人研究者が英語で書いて世界に向けて発信した京都都市史の書物である。すごいことだな。

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