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2016.05.06

仁木宏・山田邦和編『歴史家の案内する京都』、刊行

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 仁木宏・山田邦和編『歴史家の案内する京都』(文理閣)が仕上ってきた。書店に並ぶのは来週後半くらいになると思う。かなり手間をかけた仕事なので、綺麗な書物になって、たいへんに嬉しい。出版社の編集者としてのウチの奥様のてがけた最初の書物にもなった、ということで、わが家にとっては記念的なものになる。とはいうものの、完成までにはかなりの時間がかかってしまった。編者のひとりとして、早くに原稿をあげてくださっていた執筆者の皆さんにお詫びを申し上げたい。

 本のオビには「『もっと知りたい』京都歩きに必携! 地下に眠る何層もの遺跡、地上に残る寺社や城跡。考古学・文献史学の最新成果で復元される都の歴史。京都を知り尽くした歴史家15人によるガイドブックの決定版」というキャッチコピーが踊っている。これ、掛け値なしの真情である。編者である私も仁木さんも、ゼミや研究室の学生たちや、一般の市民の方々を案内して京都の史跡を巡る機会がしばしばある。そうした巡見の内容をそのまま本にした、と言ったらわかっていただけるのではないかと思う。

〈平安遷都以前〉
 1 太秦・嵯峨野の古墳群(山田邦和〈同志社女子大学教授〉)
 2 長岡京(中島信親〈向日市埋蔵文化財センター普及係長〉)
〈平安・院政・鎌倉時代〉
 3 平安宮(山本雅和〈京都市考古資料館副館長〉)
 4 京都周辺の山林寺院(梶川敏夫〈京都女子大学・京都造形芸術大学非常勤講師〉)
 5 検非違使の活躍(京樂真帆子〈滋賀県立大学教授〉)
 6 鳥羽殿(大村拓生〈関西大学非常勤講師〉)
 7 白河(山田邦和)
 8 別業都市宇治(杉本宏〈宇治市歴史まちづくり推進課主幹〉)
 9 法住寺殿(野口実〈京都女子大学名誉教授〉)
 10 六波羅(野口実)
 11 西八条・七条町(野口実)
 12 清水坂と鳥部野(山田邦和)
〈室町・戦国時代〉
 13 中世都市嵯峨(山田邦和)
 14 「洛中洛外図屏風」の上京(仁木宏〈大阪市立大学大学院教授〉)
 15 戦国時代の下京(河内将芳〈奈良大学教授〉)
 16 祇園祭(河内将芳)
 17 山科本願寺・寺内町(仁木宏)
 18 洛東の山城遺構(福島克彦〈大山崎町歴史資料館館長〉)
 19 大山崎(福島克彦)
 20 石清水八幡宮と八幡(鍛代敏雄〈東北福祉大学教授〉)
〈近世・近代〉
 21 聚楽第(森島康雄〈京都府立丹後郷土資料館主査〉)
 22 御土居堀(中村武生〈京都女子大学・大谷大学等非常勤講師〉)
 23 大仏と豊国社(河内将芳)
 24 伏見城(森島康雄)
 25 二条城(森島康雄)
 26 京都御所(京樂真帆子)
 27 近代における豊臣秀吉の顕彰地(坂口満宏〈京都女子大学教授〉)

 目次と執筆者を見ていただくだけで、なかなかの豪華メンバーであることはご理解いただけよう。ピタリとハマり役、といった人もいるし、その一方では類書には見られないユニークなテーマも挙げてある。定番のテーマについても、すでにどこかで書いているようなマンネリに陥るのではなく、充分に新しい視点と内容を盛り込んでもらった。もちろん、この小さな書物だけで京都の歴史のすべてを通観できるわけではない。特に、近代の京都については1項目しか採り上げることができなかった。平安京そのものについても、もっともっと語りたかったのは確かである。その点では「穴だらけ」ではあるのだが、京都の歴史の厚みを考えるとそれはむしろ当然であろう。むしろこの本では、第一線の歴史家たちが、自分の最も得意とする分野について、実際の京都を案内するという臨場感に力点をおいたのである。手前味噌ではあるが、そうしたガイドブックとしては充分に成功したのではないかと思っている。私自身も、これから京都の案内にこの本を活用していくことになるだろう。

 出版元については次の通りです。
図書出版文理閣「http://www.bunrikaku.com/」
 〒600-8146 京都市下京区七条河原町西南角
 TEL.075-351-7553、FAX.075-351-7560

まもなく書店に配本されますが、もし見つからない場合は書店に注文していただいたら結構ですし、
また文理閣 本の注文ページ「http://www.bunrikaku.com/postmail1.html」や、電話(075-351-7553)・ファックス(075-351-7560)、文理閣営業部へのメール
で、直接注文もできます(当然ですが、住所氏名・希望冊数などの情報は必須です)。
なお、Amazonに紹介されるまでには少しばかり時間がかかりますが、それも載るはずです。

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【書いたもの】
■森浩一、森浩一著作集編集委員会編〈編集委員:前園実知雄・松藤和人・今尾文昭・玉城一枝・中村潤子・山田邦和・鋤柄俊夫・門田誠一・坂靖・青柳泰介、第3巻編集担当:中村潤子・山田邦和・坂靖〉『森浩一著作集3 渡来文化と生産』(東京、新泉社、2016年4月15日)、全333頁
 ~中村潤子・山田邦和・坂靖「解題」310~330頁(山田執筆︰「無題(「解題」の総論)」310・311頁、「和泉河内窯の須恵器編年」313~315頁、「大阪府南部窯址資料による須恵器編年略表」316・317頁、「南海道の古代窯業遺跡とその問題」318・319頁、「飯蛸壺形土器と須恵器生産の問題」319・320頁、「古代産業-漁業」321・322頁、「製塩についての二つの覚書」322・323頁、「生道塩」323・324頁)
■山田邦和「三条通を俯瞰する―三条通の歴史をひもとく―」(記念誌編集委員〈森本浩行・西村祐一・内藤郁子・皿倉のぼる〉編、山田邦和・笠原一人・篁正康・大塚活美・西山剛・南博史ほか執筆『京の三条まちづくり―京の三条まちづくり協議会20周年記念誌―』所収、京都、京の三条まちづくり協議会、2016年3月吉日)、6~13頁
■山田邦和「クルマについての研究メモ」(京樂真帆子編『古代・中世における「乗り物文化」の学際的研究—『新・輿車図考』の構築を目指して—』2012年度~2015年度科学研究費補助金〈基盤研究(C)〉研究成果報告書)所収、彦根、滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科、2016年3月31日)、99~103頁+図版データ(付属CD-Rに所収)
■山田邦和「日本古代都城における複都制の系譜」(仁木宏編、仁木宏・古市晃・山田邦和・京樂真帆子・大村拓生・河内将芳・福島克彦・山村亜希・山本雅和・山近博義執筆『日本古代・中世都市論』所収、東京、吉川弘文館、2016年5月10日)、43~82頁
■仁木宏・山田邦和編、仁木宏・山田邦和・中島信親・山本雅和・梶川敏夫・京樂真帆子・大村拓生・杉本宏・野口実・河内将芳・福島克彦・鍛代敏雄・森島康雄・中村武生・坂口満宏執筆『歴史家の案内する京都』(京都、文理閣、2016年5月20日)、全244頁
 ~山田邦和「1太秦・嵯峨野の古墳群」12~21頁、「7白河」70~81頁、「12清水坂と鳥部野」109~115頁、「13中世都市嵯峨」118~125頁。仁木宏・山田邦和「はしがき」3・4頁、「あとがき」242頁。

【著作物の提供】
■神戸市資料提供、高橋昌明・山田邦和監修、NEP・DML制作協力「大輪田泊の復元CG」(浜島書店編集部編『よみとき総合歴史』所収、東京、浜島書店、2016年3月4日)、40頁
■黒澤達也画、山田邦和監修「平安京で花開く貴族文化~平安京」(黒田日出男・小和田哲男・阿部恒久・成田龍一・里井洋一・真栄平房昭・仁藤敦史・土屋武志・梅津正美・木村直樹『社会科 中学生の歴史―日本の歩みと世界の動き―』所収、東京、帝国書院、2016年1月20日)、44頁

【しゃべったこと】
□山田邦和「豊臣秀吉と京都4(1)御土居・寺町・天正地割」(朝日カルチャーセンター京都「平安京・京都の歴史を歩く」(44)、於朝日カルチャーセンター京都、2016年1月8日)
□山田邦和「豊臣秀吉と京都4(2)秀吉の朝鮮侵略と伏見城」(朝日カルチャーセンター京都「平安京・京都の歴史を歩く」(44)、於朝日カルチャーセンター京都、2016年2月12日)
□山田邦和「豊臣秀吉と京都4(3)(現地見学)ふたつの伏見城(指月城・木幡山城)跡」(朝日カルチャーセンター京都「平安京・京都の歴史を歩く」(44)、於伏見城跡の現地、2016年3月11日)
□山田邦和「(3)平安京南郊 鳥羽の離宮の天皇陵―白河・鳥羽・近衛天皇陵」(栄中日文化センター「天皇陵古墳を考える」2016年1~3月期、於栄中日文化センター、2016年3月25日)
□山田邦和「徳川幕府と京都(1)関ヶ原の戦い」(朝日カルチャーセンター京都「平安京・京都の歴史を歩く」(45)、於朝日カルチャーセンター京都、2016年4月8日)
□山田邦和「京都学講座・院政期京都の研究1(1)白河法皇と院政の開始」(古代学協会「古代学講座」、於古代学協会角田文衞記念室、2016年4月15日)
□山田邦和「平安京と天皇陵」(古代学研究会主催「古代学研究会4月例会」、於アネックスパル法円坂A棟3階第1号室、2016年4月16日)


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