まち猫ミケが旅立つ、の巻
1月15日(火)
先日からウチでめんどうを見ていた「まち猫」ミケが旅立ちました。推定7歳。
もともとウチの町内のあたりで生まれた野良猫で、以前は近所の家の人が餌をやったりして可愛がっていましたが、その家が引っ越されて、また別の家で世話してもらっていた。避妊手術もしてもらっていました。ところが3年くらい前から我が家に来るようになり、ご飯をやるようになりました。発泡スチロールの箱を置いておくと冬の寝ぐらにしたり、夏の暑い時には我が家の玄関前で涼んでいたりします。
こういう野良猫の世話をすることには批判もあることは承知していますが、町内には可愛がってくれる人も多かったので、正式な手続きはできてはいないものの「まち猫」に準ずるような状態だったとは思っています。けっこう警戒心は強いので、ほとんど身体を触らせてはくれないし、どこかの家に閉じ込めて飼われるのは猫にとっても不本意であり、「まち猫」という生活スタイルが会っていたように思います。時々、あげた餌をカラスに横取りされたりしたりしてはいましたが・・・
ところが、昨年の年末に、しばらく姿が見えなくなりました。どうしたのかな、と思っていたら、路上で衰弱した姿で発見。猫好きの近所の方が救助して病院に連れて行くと、獣医の先生が生きているのが不思議だというほどに腎臓が弱っており、脱水状態と貧血でしばらく入院。ただ、大がかりな治療と毎日の病院通いをやればしばらくの延命はできるかもしれないが、それも余命いくばくというような予想。かといって外に戻すとすぐに死ぬのは確実。病院で安楽死、という手段も提案されたのだが、けっきょく、積極的な延命治療はせずにやすらかに最期を迎えさせてやろうということになり、わが家で引き取ることにしたのです。
これもご近所さんのご協力でケージを提供していただき、そこに寝床とトイレをしつらえます。そばにオイルファンヒーターを備え付けたので、少なくとも寒さに凍えるということはないはずだし、水とご飯はいつでも食べられるようにしておきます。そうすると、素人目で見る限りではどんどん元気になったようで、食欲も旺盛。一両日で看取るつもりが、この分ではまだまだ生きるような気がしてきました。しかし、やはりそうではないのですね。数日前から次第に動きが鈍くなり、餌も食べなくなってきました。昨晩の真夜中に少しだけ水をやったら飲んでくれたのですが、朝、私たちが目覚めると息をひきとっていました。「家飼い」をしたのはわずか三週間ですが、やはり情が移っているのか、悲しいものでした。ただ、寒風の中の孤独な死ではなく、暖かく、ご飯と水もある環境で送り出せたことは、自己満足かもしれないながら、お互いに良かったと思うことにしております。