ドラマ「スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜」、の巻
いやぁ面白かった😄。笑った😂、泣いた😭、胸にジンジン響いた😁、心が温かくなった😊、感動で叫びたくなった🤩。NHKが昨年制作したコメディータッチのドラマ「スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜」。先月再放送があったので録画しておいたのを、やっと見ることができた。すばらしすぎて、毎夜のようにお気に入りのシーンを何度も何度も見直してしまっている。そのたびごとに目がウルウル😭してしまうのです。
京都の映画撮影所を舞台とした、時代劇制作の裏話ドラマ。主人公は内野聖陽の売れない大部屋俳優。殺陣は超一流だが、セリフがダメダメなのでいつまでも斬られ役専門。
その周囲も、怪優・名優の揃い踏み😄。トボけてケチな撮影所長の伊武雅刀 。アメリカ帰りの最先端映像技術者のくせに時代劇オタクの柄本佑。悪役専門の大部屋俳優で主人公の無二の友でありながら屈折した思いを抱く中村獅童。元アクション女優だが今は子育てと実家の饅頭屋の商売にいそしむ水野美紀。筋骨隆々で日本最高のカメラオペレーターの藤本隆宏。凄みをきかせたロートルの映画監督の石橋蓮司。老いた職人カメラマンの本田博太郎。特別出演の里見浩太朗は時代劇スターとしての里見浩太朗自身を演じる。登場人物がすべて、ひとりひとり粒が立ちまくっているんですよね。彼ら彼女らが、京都の太秦・嵯峨野の懐かしくすばらしい景観の中で縦横無尽、生き生きと躍動する👍。
なんとも感動的なのは、人物のそれぞれが「映画」に対する熱い思いを持つ「職人」ばかりだということ。監督の石橋が時代劇オタクの柄本を初めて見て「また、えらいアホが来よったで」って、アンタも根っからの活動写真バカやないか🤣😂。コワモテの藤本カメラオペレーターが内野や中村の剣術のド迫力の前に「マトモじゃないぜ、この人たち」って、お前さんも撮影については「俺の辞書に『テイク2(撮り直し)』の文字はない」が口癖なんだから、よっぽどマトモじゃないですよ🤣。こうした濃ゆい面々が、しかもそれぞれがプロとしての自分の役割をキッチリ認識し、映画づくりという共同作業に邁進する。普通のドラマだと旧弊な映画職人と最先端技術の信奉者が対立したり喧嘩したりするところだが、このドラマではお互いがお互いの良さを認め合い、自分にない部分は積極的に取り入れようとするところが爽やかそのもの。
主人公の内野、オドオドした気弱な日常と、剣をとった瞬間にキリッとした使い手に変身するコントラストが見事。その殺陣の鮮烈さも特筆モノ。
それから、出番は少ないのだが、もっともすばらしかったのは実は主人公の妻を演じた水野美紀😍。家族思いの良き妻であり母。可愛くお茶目な素顔。しかし一旦撮影所にはいると昔の女優魂が燃え上がってガラリと変身、目を見張るばかりのキレッキレのカッコいい大立ち回り。かと思うと饅頭屋の店頭で掃除をする後ろ姿がなんとも艶っぽく色っぽい。いやあ、惚れちゃいましたよ😍😘。
ネタバレは避けますが、最後のオチもすばらしい。ずっとボケ役だった伊武撮影所長がニヤッとしながらの一言。爽快そのもので涙が出そうな鮮やかな幕切れでした🤣😂。
主人公の大部屋俳優は、「太秦ライムライト」(落合賢監督、2014)で知られる「5万回斬られた男」福本清三がモデルでしょうね(福本自身も定番の「斬られ役の素浪人」で出演)。それから、随所に、かの名作「蒲田行進曲」(深作欣二監督、1982)へのオマージュがにじみ出るところもすばらしかったです。
見逃した方、「U-NEXT」や「NHKオンデマンド」でも視聴できるようですから、ぜひ。超推薦。